最小回転半径

免許を取るにあたって苦労したのが、第一段階のs字・クランクでした。2回も落ちました。自動車メーカーのサイトで車の大きさを数値的に調べたり、色々と試しましたが、免許を取った今になっても車体感覚が身についているとは言い難いです。教習ではとりあえずハンドルを切るタイミングを覚えてかろうじてクリアしました。

 

車の動きを決定するのが前輪の切角と車体の大きさです。ハンドルを一定の角度に回して前進すると、クルマの軌跡は円になります。ここで2つの前提条件があります。

  1. 4つのタイヤが描く4つの円は同心円である。
  2. タイヤのホイール面はそれらの円に接している。

従って

  • 4つのタイヤそれぞれの中心から伸びる垂線が1点で交わって、これが円の中心になっている。

一番外側の円の半径を、回転半径といいます。それでハンドルをめいっぱい切った時、前輪の切角が最大角になりますが、この時の回転半径を最小回転半径といいます。高校数学で簡単に求まりますので求めてみたいと思います。

前輪と後輪の中心間の長さ(ホイールベース)をL、タイヤの切角を\theta、回転半径をRとすると、図から簡単に分かるようにR sin(\theta)=Lだから

\begin{equation}R=\frac{L}{sin(\theta)}\end{equation}

となりますね。

教習車のマツダ・アクセラで計算してみたいと思います。マツダのサイトによると、最小回転半径は5.3m、ホイールベースは2.7mのようです。なのでこの時、sin(\theta)=2.7/5.3\sim 0.51、この数値を三角関数の近似表と照らし合わせると、だいたい\theta=30度になります。従ってアクセラのタイヤは最大で30度くらい曲がるということですね。

 

注意!上の二つの前提条件が成り立たない場合もあるらしく、その場合は円の中心が一意に定義されません。それぞれの中心に対して半径を出して平均を取るようです。